中学生〜高校生の6年間、僕はひきこもりだった。
小学生の頃は、毎日外で遊ぶような無邪気な子どもだったのに。
友達も居たはず。毎日遊んでたもん。
しかし、中学生になって一気に変わった。
1年生の頃は友達が居たかもしんない。けど記憶にはない。
今思い返そうとしても、ひきこもりをしていた記憶しか思い出せない。
気づいたらひきこもりになっていた。
今は脱ひきこもりをしている。
脱ひきこもりをしても、ひきこもりだった頃の話はずっと隠していた。
新しくできた友達にもひたすら隠した。
今では、中学校の同窓会に参加できるほど吹っ切れた。
わざわざひきこもりだった時の話はしないけどね。
今だからこそ、ひきこもりのみんなに胸張って言える、
脱ひきこもりをしたほうが、人生たのしいよ。
目次
小学生はちょっと悪ガキだった
小学生の頃は、自分で言うのも恥ずかしいが、ちょっと悪ガキだった。
夜まで遊んだり、火遊びしたり、万引きして怒られたこともある。
今だから言えるが、タバコを吸ったこともある。
そんな子供だった。
中学に入り、オンラインゲームに出会う

中学生になり、1ヶ月ほど経った時、ひとつのオンラインゲームに出会った。
ファイナルファンタジーⅪ(通称:FF11)
これを始めたことにより、僕の人生は180度変わりました。
事の始まりは、兄貴にこのゲームを勧められたところから始まる。
ちなみに僕は3人兄弟の末っ子だ。3歳離れた兄と、7歳離れた姉が居る。
ゲームは昔から大好きだった。けど兄貴と対戦して勝てた事がない。
小学生の頃によくやっていたゲームは、大乱闘スマッシュブラザーズ64。地元最強と言われていた。兄貴には勝てないけど。
そんな兄貴にFF11を勧められ、始めてみた。
すぐハマった。すごい楽しかった。ゲームの中で友達ができるんだもん。
まだ当時はオンラインゲームが有名じゃなくて、ネットスラングも現実世界で使われるような時代では無かった。同級生でオンラインゲームをやってる人なんて居なかった。
ネットスラング:ネットで使われる専門用語。昔は「w」なども現実では使われていなかった。今では「ワロタ」「ジワる」などがよく使われる。
兄貴のレベルを追い越したくて、気づいたら寝る間も惜しむほど、のめり込んでいた。
毎日学校に行き、授業中は攻略サイトを調べ、すぐ帰宅してゲームをする。
この時はまだ友達が居たかもしんない。記憶にないが。
そして夏休みが近づいてきた。
僕はもうウキウキだった。
毎日ゲームができる!!兄貴を追い越すぞ!!と目標を立てて意気込んでいた。
夏休みに入り、毎日、毎日ゲームした。ゲームをしながら寝て、起きたらすぐゲーム。
ご飯しながらゲーム。お風呂は1分。お風呂よりゲーム優先。
そんな毎日を繰り返した。
唯一、外に出た記憶といったら、コンビニにウェブマネーを買いに行くぐらい。
ウェブマネーとは、オンラインプリペイド型の電子マネーである。クレジットカードを持っていない人は、ウェブマネーで月額課金制1,300円を支払う必要があった。
気づけば兄貴のレベルなんて追い越していた。
しかしそんな目標のことなど、どうでもよくなっていた。
いつの間にかゲームの中の人達より強くなりたい、という目標に変わっていたのだ。
もっと強くなるには、もっとゲームをしないと!
そんな熱い気持ちはあったが、夏休みが終わった。
夏休みが終わり、異変が・・・
今日から学校だ。
学校の用意をして外に出る。ひさびさの太陽だ。眩しい。
いやだな〜、ゲームしときたいな〜。と思いながら学校へ向かう。
すぐ違和感を感じた。
“歩き方がわからない”
前まで毎日歩いていたはずなのに、歩き方がわからない。
何を言ってるかわからないかもしんないけど、本当にわかんない。
けど歩けてる。いや、本当に歩けているのか?
そんなことを自問自答しながら歩くが、違和感しかない。
他の学生にすれ違うと、すごく見られている感じがする。やっぱり歩き方変なのかな?
あとで気づくが、この辺りから”人の異常に視線を気にする“ようになった。
人の視線を感じながら、学校へ向かうが、なぜか緊張で汗がダラダラ。
正直帰りたかった。
学校に着いて、友達だった人に声をかけられる。
頭が真っ白になった。
いつの間にか、”声の出し方がわからない“、”人との喋り方がわからない“ように陥っていた。
その友達はすぐどこかへ行った。
変な奴と思われてないかな?など非常に心配になった。
去った後に、喋りたかった言葉が思い浮かぶ。
ゲームの中で、いろんな人とチャットをしていたはずなのに。
自分のクラスへ入る。
するといくつかのグループがあるが、いつも僕が居たグループに行こうと思ったが、“グループの輪の中の入り方がわからない“ようになっていた。
なんて言ってグループに入ればいいのか?そもそもグループに混ざっていいのか?
いろんな不安が頭によぎった。
意を決して、いつも居たグループに声をかけにいく。
完全に変なヤツだ。
頭真っ白。チャイムが鳴り、自分の席に座る。
座ってる間に、さっきの友達の言葉を思い出していた。
ひきこもりには言ってはいけない言葉
友達の言葉にひどく傷ついた。
本当のひきこもりにしか分からないけど、”ひきこもり“って言われると、酷く傷つく。
デブにデブって言ってるのと一緒。それほど侮辱した言葉。
傷づかない人は、ウソのひきこもりだ。ネタとして言っているだけ。
本当のひきこもりは、自分でひきこもりだと思いたくないし、言われたくもない。
けどひきこもりだ。
この友達の発言により、当時はイジメられていると思い込んでいた。
イジメって本当に捉え方次第だと思う。今考えれば、ただイジられているだけだなって思うし。
しかし、このことがきっかけで、僕は誰とも話せなくなっていき、気づけば友達が0人になった。
ここからは毎日、学校で寝て、家でゲームをするという繰り返し。
親が厳しかったので、学校には毎日行っていた。
厳しくなかったら確実に不登校になっていただろう。
そんな毎日を過ごし、気づけば中学校は卒業。
もちろん卒業式は、誰とも写真を撮ることなく、すぐ家に帰ってゲームしてた。
気づけば高校3年生
高校に入学しても変わらない毎日を送っていた。
コミュ障・人見知り・あがり症・人間不信・マイナス思考・アトピー持ち、最悪だ。
高校入学してすぐの頃、1回友達ができた。
同じオンラインゲームをやっている人だった。
意気投合したが、その人は1ヶ月もせず学校を辞めてしまった。
また友達の居ない毎日を繰り返し、気づけば高校3年になっていた。
高校3年になったある日、親から「もうお小遣いあげないから、自分でアルバイトでもして」と言われてしまった。
お小遣いが貰えないとゲームができない。そんなの死んだも同然だ。
やばい。と思ってアルバイトを探した、が見つからん。
兄貴が働いていた”くら寿司”を紹介してもらった。
ゲームをしたいがために働きにいった。
働いているうちに、少しずつだが喋れるようになってきた。
アルバイト先で、1個下の友達ができた。
遊んでるうちに、気づけば”脱ひきこもり”になっていた。
家にひきこもるより遊んだ方が楽しい。ゲームもいつの間にか辞めていた。
脱ひきこもりしてからも大変だった
中学んとき、EXILEのあの曲流行ってたよね〜!
なんて友達に言われても、知らない。音楽なんて聞いてなかったもん。
だけど、とりあえず知ってる知ってる〜!!あれでしょ!!あれ?どんなんだっけ?聞かせてよ。なんて適当に答えてた。
友達と会話してるうちに、”コミュ障“は薄れていった。
コミュ障の原因は、人との会話不足によるものだった。
しかし、ひきこもっていた6年間の隙間は大きい。
グループの輪に入っても、話が全然ついていけない。
中学、高校の話が出てきても話についていけない。
そんな時に、やっぱり”ひきこもりのほうが向いてるのかな“なんて考えたりしていた。
だけど、努力して、自分と向き合い、ひきこもりに戻らないように頑張った。
頑張っていろんな人と話した。
動き出せば、努力でなんとかなる
コミュ障・人見知り・あがり症・人間不信・マイナス思考・アトピー持ち
“歩き方がわからない“、”人の異常に視線を気にする”
どれも、今の僕に会ったら、ウソでしょ?って言いたくなると思う。(笑)
それほど努力で変化できました。
- コミュ障は、会話をしてたら無くなった。
- 人見知りは、タクシーの仕事で初対面の人しか居ないので、接してるうちに無くなった。
- あがり症は、あがりまくってたら無くなった。普段しないことはあがるけど。
- 人間不信は、信用できる人と出会う事で無くなった。
- マイナス思考は、努力していることで無くなった。
- アトピーは、色々試行錯誤して、自分に合った治し方を見つけた。
- 歩き方は、歩いているうちに思い出した。
- 視線を気にするのも、筋トレして自信をもったら無くなった。
“グループの輪の中の入り方がわからない“、これだけは今だに慣れません。(笑)
僕もまだ成長段階です。
今ひきこもってるみんなも、一緒に成長しよう。
一歩踏み出せば、なんとかなる。
ひきこもりじゃなくなって、普通に喋れるようになった僕を、みんながどう思ってるかはわからない。
けど、変わった僕を悪く言う人は居ない。そんなの気にしなくていい。
もし悪く言う人がいれば、その人とは距離を置くだけでいい。
信用できる人はたくさん存在する。
だから勇気を持って、一歩踏み出そう。
いつかひきこもってた事も、笑って話せるよ。
こんなひきこもりだった僕でも変われたんだから、みんなも変われるよ。
脱ひきこもりをしたほうが、人生たのしいよ。